■インターローカルノートについて(「Inter Local Note」最初のページへ)





 

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2005.09.17 Yokohama (横浜)
中華街にできた西野君のプロジェクト「ホテルヴィラ會芳亭」オープニング。中華街から飲茶が来たり獅子舞が出たりで、かなり盛況なオープニングだった。

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2005.09.18 Yokohama (横浜)
ダニエル・ビュランの1万枚の旗がたなびくプロムナードが完成する。浜風を受けてその下を自転車で走ると、気持ちが良い。やはり見応えがある。

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2005.09.21 Yokohama (横浜)
アトリエ・ヴァン・リースホウトのアシスタントと共に作品の組み立てを行なう。奇妙なオブジェができてくる。これがバーになる。
夕方、エルメスのファッションショーの打ち合わせ。数名のアーティストをモデルに起用するということで、誰をどのように選ぶか迷う。

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2005.09.23 Yokohama (横浜)
マリア・ローゼン、エスタシオなどが次々に来日する。今や事務所はアーティストで溢れんばかりだ。みんな事務所に来てパソコンでメールをチェックしている。

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2005.09.25 Yokohama (横浜)
会場全体の作品にキャプションを取り付けて行く。高松次郎作品が設置され、中原さんが監修に来てくれる。最後に了解の一言を聞けて、まずは再現プロジェクトが完成した。良かった。確かに綺麗だ。

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2005.09.27 Yokohama (横浜)
とうとう横浜トリエンナーレのプレスオープンの日が来た。実は今朝まで会場設営をしていたため、スタッフ全員がほとんど寝ていない。しかし、大桟橋で行なったオープニングレセプションには美術関係者や参加アーティストなどが、1,500人くらいが一同に集まった。オープニング式典では、ただただ「関係者の皆さん、参加したアーティストの皆さん、ありがとう!」と言うのが、精一杯だった。

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2005.09.28 Yokohama (横浜)
横浜トリエンナーレ・オープニング記念シンポジウムを二日間かけて行なう。タイトルは「展覧会とはなにか─空間と意志」。とにかく9月28日の展覧会オープンを自分のミッションと課して行なってきたが、根本的な疑問としての「展覧会を開催するとは、どういうことなのか」「誰に何を見せるのか」「見せることとそれを企画することとは、どういうことなのか」など、ここで改めて議論する場を持ちたいと思い、これを企画した。招待した各パネリストの活動報告を大勢の参加者と共に聞く。

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2005.09.29 Yokohama (横浜)
シンポジウム二日目。昨日のパネリストの報告を受けて、今日はできる限りディスカッションする。会場からも質問を受け、また今回のトリエンナーレ参加作家の発言もあり、一時間もオーバーして大いに盛り上がる。

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ILN239
2005.09.30 Yokohama (横浜)
毎週金曜日は夜9時までトリエンナーレは開場している。夜風に吹かれながら中庭にある巨大スクリーンの映像作品を見るのは、やはり気持ち良い。

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2005.10.02 Yokohama (横浜)
横浜トリエンナーレオープン以来、最初の日曜日。朝から多数の人がバスで来場する。全ての人に思わず「来てくれてありがとう」と言いたくなる。この日の入場者数は4,000人を上回った。これが多いか少ないかは別にして、中庭のデッキチェアに大勢の人が座り、のんびりと浜の潮風に吹かれながら、音楽を聴き入っている光景を見ることは、これを企画した者には何より嬉しい。

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2005.10.03 Yokohama (横浜)
横浜トリエンナーレ会場で、朝から団体客の解説ツアーを行なう。20名ほどの人たちが好奇の目で作品を見ていく。いろいろな質問が出て、そのたびに笑いと感嘆が起こる。作家に聞かせたい反応である。

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2005.10.04 Yokohama (横浜)
毎週一回、トリエンナーレが終了した時刻の夕方から行なっているトリエンナーレ学校で、会場ボランティアの方たちからの意見を聞く。今までは毎回作家がレクチャーをする場であったが、展覧会開始後は、それぞれの会場運営ボランティアの人たちの意見交換の場として活用している。多くの意見が出され、会場でのその対応策をみんなで考える。

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2005.10.05 Yokohama (横浜)
神奈川県JIA建築家協会主催のレクチャー。今回のトリエンナーレの会場構成に何人かの建築家グループが参加していることもあり、アーティストとアーキテクトのコラボレーションについて説明する。みんな熱心に聞いていた。

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2005.10.07 Yokohama (横浜)
団体ツアーをアテンドして会場を一回りし、帰りのバスに乗り込ませ、ツアーを終了して、大腸のかたちをしたアトリエバンホルトのバーで一息つく。昼からついビールを飲んでしまう。ほろ酔い気分でデッキチェアに座り、ぼんやり対岸の大桟橋に停泊する船を眺める。

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2005.10.09 Yokohama (横浜)
朝から雨。横浜トリエンナーレへの人の入りが心配だったが、会場を訪れてみると多くの観客が来場していて、ひと安心。雨でも会場内は、作品の前で立ち止まりじっくり眺めている人、作品の中を覗き込んでいる人、ソファーに座り居眠りをしている人などが、様々なトリエンナーレ体験をしていた。

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2005.10.10 Mikasa (三笠)
昨夜の深夜便で一年ぶりに北海道に来る。北海道文化財団主催のシンポジウムに参加。九州で行なっている私の10年越しのコールマイン(炭坑)プロジェクトをここで紹介する。近代の産業遺産という視点での産炭地の見直しと、その後の町再生に対する意気込みを感じた。

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2005.10.11 Yokohama (横浜)
朝、北海道から戻り、そのまま横浜トリエンナーレ会場へ向かい、外国の大使館関係者数名に会場を巡りながら作品解説を行なう。作品と接した時の彼らのリアクションが面白かった。

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2005.10.13 Yokohama (横浜)
横浜トリエンナーレ会場の中庭では、相変わらず堀尾貞治さんのパフォーマンスが毎日行なわれている。今回の出品作家の中で二番目に高齢ではあるが、とにかく作品のアイディアが豊富で、それを実行する行動力に圧倒される。堀尾さんがパフォーマンスを行なうと、必ずそこに人だかりができる。

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2005.10.14 Kaminoge, Tokyo (東京上野毛)
多摩美術大学で行なわれている生涯学習の授業で「横浜トリエンナーレの楽しみ方」を講義する。コンセプトや見どころを出品作品のスライドと共に紹介する。受講者の多くはまだ実際に会場を訪れていないが、興味深げにスライドを見ていた。何人かから第一回目のトリエンナーレと今回の違いについての質問があったが、自分は第一回目を見ていないため比較できないと告げたところ、質問者から苦笑を受ける。本当だから仕方がない。いずれにせよ先回のトリエンナーレを見た人たちからの、今回に寄せる期待感を感じた。

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2005.10.15 Yokohama (横浜)
横浜にある旧銀行ビルをリニューアルした会場で、日独アート交流プロジェクト展企画の一環である「再生する都市、ヨコハマ」というタイトルのシンポジウムにパネリストとして参加する。自分なりに今思う横浜にとってのトリエンナーレ開催の意味、文化政策としての位置付けなどを話す。

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2005.10.16 Yokohama (横浜)
雨にもかかわらず、多くの来場者がトリエンナーレ会場で思い思いに作品を見ている。できる限り会場に顔を出して観客のリアクションを観察している。家にいてもトリエンナーレ会場が気になって落ち着かず、気が休まらない。そうであるなら毎日会場に詰めていようというのが本音だ。

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2005.10.18 Kyoto (京都)
大阪の大学院大学主催による「横浜トリエンナーレ速報」を京都国立近代美術館で行なう。平日にもかかわらず多くの学生が訪れ、作品紹介スライドを興味深く見ていた。トリエンナーレでは、まだ現在もボランティアを募集していることを告げると、幾つかの質問と共にその場で参加を申し込む学生もいた。やはり多くの人々が、どのようなかたちであれ様々に参加することで、展覧会というものは成り立つのであると思う。

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2005.10.19 Yokohama (横浜)
横浜トリエンナーレの関連イベントとして安藤忠雄さんと福武總一郎氏の対談シンポジウム「建築とアート」にトリエンナーレの紹介を兼ねて参加する。建築関係の業界人や学生が多く、トリエンナーレをまだ見ていない人たちのために建築的視点から見たこの展覧会の楽しみ方などを宣伝する。

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2005.10.22 Ikebukuro, Tokyo (東京池袋)
「北川フラムの40年。希望の美術・恊働の夢」出版記念の対談を北川さんと池袋の書店で行なう。40年余りのアート活動の集大成だ。学生運動の時の東京芸大での活動やら最近の新潟でのアートプロジェクトなど、興味深い話が盛りだくさんの本で、彼の強固な思想的背景が多くの社会活動によるものであることをこの膨大な記録集を読み、改めて納得した。

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2005.10.24 Yokohama (横浜)
夕方展覧会を閉めてから、今回のスタッフ二十数名と熱海へ温泉ツアーに行く。思えば、オープンしてからまだ一度も制作スタッフの人たちと打ち上げを行なっていなかった。遅ればせながらオープンまでの労苦をねぎらい、引き続きまだ60日ほどあるトリエンナーレを一緒に完走しましょうというメッセージも込めてのことだった。みんなで夕食を食べ、近くのボーリング場でひと騒ぎして帰って間もなく、みんな静かに寝入った。やはり疲れているのだろう。「本当にご苦労さまでした」と言いたかったが、思わず「引き続きよろしく」と小さな声で部屋のドア越しに伝えた。

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2005.10.25 Yokohama (横浜)
大阪大学の鷲田清一さんを中心とした関西からの学生20名程のツアーのアテンドを行なう。会場を一回りし、その後ZAIMビルにあるgrafカフェでそれぞれの感想を聞く。


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2005.10.27 Yokohama (横浜)
朝からNHK国際放送の番組収録に加わる。全て英語での解説。司会者と共にKOSUGE1-16というグループがつくった巨大なサッカーゲーム盤で、両側に分かれてゲームをしながら「Is this Art?」という質問を投げてくるところが面白かった。「Yes, of course!」


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2005.10.28 Yokohama (横浜)
横浜市副市長のアテンド。その後、桃谷さんのホームステイプロジェクト二回目のオープニングに出席する。とても面白い展示になっている。桃谷さんのアパートのベランダから見える駐車場の壁面に文字がプロジェクターで投射されて、巨大なパブリックアートが出現している。こんな小さな部屋からでもパブリックに作品を表現できるということを示した良い例だと思う。


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2005.10.29 Yokohama (横浜)
水戸芸で行なわれているグラフィティ展の関連シンポジウムをZAIMビルで行なう。グラフィティの展覧会を美術館(水戸芸術館)で行なう、また町の中で許可されたところにグラフィティを描くというところに、都市に於けるグラフィティそのものの見え方、捉え方が変わって来ているように思う。爆弾(Bomb)を仕掛けると言うようにイリーガルに描かれる行為の中にあるグラフィティの先鋭化された力は、了解済みの提供された場には、デコレーション化された図柄とか記号化された壁画としてしか見えて来ないのではないだろうか。


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2005.10.31 Yokohama (横浜)
横浜市議会議員のトリエンナーレ視察。市議会議員もいろいろな理由で来ていることがわかる。最初から興味のない人(つまり仕事で来られた人)、このような現代美術展にまず不信感を持っている人、何だか訳はわからないけれど面白そうだと好奇心を持って質問してくる人など、いろいろな人を相手に一通り作品解説をしていく。トリエンナーレに対して多様な反応があることは良いが、こちらがアテンドしていることが当たり前のことと思って、無視して勝手にしている連中にはいい加減うんざりする。思えば自分も随分辛抱強くなったと思う。


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2005.11.02 Yokohama (横浜)
統合失調症などの患者さんと共に学生が定期的にアートのワークショップを行なっている千葉の病院から患者さん、医療看護士さん総勢20名のツアーが横浜トリエンナーレに来る。どのような反応をするのか、彼らから感想を聞くのが楽しみだ。


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2005.11.03 Fukui (福井)
福井県三国町で、町並みに設置された作品の講評とその後に地元作家たちとシンポジウムを行なう。情緒ある町並みにいろいろな作品が点在してあり、雨の中をのんびり見て歩く。


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2005.11.05 Yokohama (横浜)
トリエンナーレ会場で出品作家グループCOUMAによる卓球大会に参加。あえなく一次予選で大敗する。ちなみに対戦相手は、横浜トリエンナーレキュレイター、天野太郎だった。


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2005.11.07 Tokyo (東京)
銀座で白石かずこさんに会い、横浜トリエンナーレの「現代詩の夕べ」の企画に参加していただく了解を取り付ける。


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2005.11.08 Tokyo (東京)
国際交流基金で横浜トリエンナーレの途中経過の報告会を行なう。この会議で途中決算と今後の予算を了承してもらい、ひとまず安心した。とりあえずは、今回のトリエンナーレ実施と成果を、途中ではあるが認めてもらったということだろうか。


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2005.11.09 Tokyo (東京)
渋谷区代官山のヒルサイドテラスを中心に毎年行なわれている「代官山インスタレーション」というアートプロジェクトの作品審査に関わる。今回は、代官山という商業空間や施設に根ざした興味深い作品が多く、選定が大変であった。


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